初度登録 平成17年1月
型式 GH-9PABFD
エンジン 3.2L 狭角V6 250PS
シフト F6マニュアル
走行距離 179367㎞
車検 R9年5月28日

カイエンのマニュアルシフトってどんな感じなんだろう?
そんな興味本位だけで仕入れたこの個体。
乗ってみたらその魅力に取りつかれ、ナンバー取得して約1年が過ぎた。

カイエンは、ポルシェ初の5ドアSUVとして発売された。
当時、批判的な意見も多数散見された。
ポルシェがSUVを作るなんて、商売に走った。けしからん!
と。

しかし、ポルシェはあくまで「新しいかたちのスポーツカー」と主張する。
結果的にはそこそこの台数が売れ、商業的には成功を収める。

私は車業界20年以上になるが、不思議とカイエンとは縁が無く接する機会に恵まれなかった。
しかしながら、ずっと気になる存在ではあった。

そんな中、発見したこの個体。
カイエンに6速マニュアルが存在することすら知らなかったが、俄然興味が湧いた。

仕入れ時には走行距離172600㎞。立派に過走行の部類である。
まずはリフトで上げて下からチェックする。

驚いた。
エンジン、ミッション、デフ、オイルの滲みが一切見られず乾いた状態なのだ。
各パーツの精度の高さが覗える。


エンジンチェックランプ点灯、診断結果O2センサーだったので交換。
交換時に触れた樹脂製の冷却水配管が割れたので、交換。
ついでに点火プラグも6本交換。
バッテリー新品交換。

オイル関係も全て交換。
抜いたオイルはとても綺麗だった。

ヘッドライトは磨きで黄ばみが落ち切らなかったので、殻割りしてカバーを新品に交換。
その際にプロジェクター内部も清掃、本来の明るさを取り戻した。

ひとまずナンバーを取得して乗ってみる。
重めのステアリング、硬めのサスペンション。いかにもドイツ車なフィーリングだ。

やはり真価を発揮するのは高速領域だ。
安定感、安心感が日本車とはまるで違う。
体感速度は実際の速度の2~3割減くらい。

そして、きちんと止まれるブレーキシステムも安心材料のひとつ。
イタリア製6ポッドキャリパー

エンジンは3.2L 狭角V6。
腰下はフォルクスワーゲン製VR6がベースだが、シリンダーヘッドはポルシェによる新設計。

このエンジン、一応V型だが特性は直6に近い。
直6エンジンのシリンダー配列を互い違いに微妙にずらしたものを想像してほしい。
シリンダーヘッドはV型のように左右2つではなく、1つ。
直6寄りの、滑らかでフラットな加速フィーリング。
整った排気音も心地よい。

車重2.3tで250PSなので、爆発的に速くはない。
ただ、日本の公道では十分に速い。
マニュアルシフトで楽しめる、ちょうど良いパワー感だ。

山道 ワインディングがこれまた楽しい。
重心が高いSUVタイプであることを忘れさせる、ハンドリング。
たしかにこれはSUVではない。紛れもないスポーツカーだ。
マニュアルシフトが楽しさをより加速させる。

オフロード性能もそこそこだ。
ハイロー2段切り替えのトランスファー、センターデフロック機能もある。

約1年乗ったが、故障は皆無だった。
古い過走行の外車は壊れるというイメージを持たれる方も多いかもしれないが、それは正解とは言い切れない。

すこし前に、アメリカのオークションでマニュアルのカイエンが約1900万円で落札され話題になっていた。
日本のオークションでもつい最近、957型GTSのマニュアル車が出品され、業者価格なので公表はできないが驚きの高額落札だった。
この個体も過走行ではあるが、もしかすると価値が跳ね上がるかもしれない。
それまで、ポルシェをマニュアルシフトで操る喜びを存分に楽しむのもよいだろう。











車輌本体価格 189万円
乗り出し総額 206.9万円
